TOHO
COLUMN
東邦コラム
2025.07.15
自動車関連
運転する楽しさは贅沢になるのか
自動運転技術の進化により、私たちの移動の形は大きく変わろうとしている。
高速道路や渋滞時には、もはやハンドルを握る必要がなくなる日も遠くない。
しかし、その利便性の陰で失われるのが「運転する楽しさ」だ。
ワインディングロードを自らの手で駆け抜ける爽快感、アクセルとブレーキの微妙な感覚、車と一体化する感覚は、単なる移動手段を超えた「体験」だった。
だが、自動運転が一般化すれば、こうした体験は一部の趣味人だけの特権になるかもしれない。
便利さが優先される社会では、運転の楽しみは「贅沢」になってしまうのだろうか。
むしろそれは、新たな価値観の誕生とも言える。
かつて馬車が車に取って代わられたように、人は効率と快適さの中で新しい楽しみを見つける。
しかし、運転好きの心にとって、その日が来るまでは、ハンドルを握る瞬間の歓びを大切にしたい。